文化祭の準備を一緒にやってる班に気になる女友達がいて、
なんかの連絡網で今夜電話するからねって言われて、家の電話番号を教えた。

俺は携帯持ってないから、メールで事務的に済まされる可能性は無い。
確実に、直接、声を聞いて話せる!
好きな女子から今日、電話がかかって来る!俺はワクワクした。

ワクワクしてた割には、夜にはすっかり忘れて、オナニー(3回め)に夢中になってた。


もうすぐイケそうなとこで部屋の子機が鳴った。チッ。
家族の誰かが出るだろう、ほっとこうと思ったけど「あっ○○からか!」と思い出して、
あわてて電話に出た。
ちんちん丸出しで。ちんちん握ったまま。

「××さんのお宅ですか、私…」


「あっ俺俺!俺だよ!」

「オレオレ詐欺(笑)!よかった、本人が出た。今電話大丈夫、ですか?」

初めて電話で話すからか、少し緊張したよそよそしい態度になってて、なんか萌えた。
電話越しに伝わってくる照れ笑いとか吐息とかが、新鮮でかわいくて、ちんむずした。
もう、声聞きながらオナニー続けようかと思ったけど、
俺は変態じゃねーし!と思いとどまった。勃起は治まらないけどオナニーは中断。
でも、

「俺、もうイッちゃうとこだったんだけど。出ちゃうよ」

と「出かけるとこだった」という意味に聞こえる言葉で、
オナニー中だったことを告白したつもりになって、1人で興奮した。
やっぱり俺変態だった…。

当然向こうは「どっか行くの?」とか「出かけるとこごめんね」とか、
そんな言葉を言うはずだった。

でも違った。俺の考えは甘かった。
どっちかって言うとまじめな方だと思ってた彼女の、エロ知識や好奇心を甘く見てた。

「あはは、イッちゃうとか出ちゃうとか何かあやしー言い方」

「えっ」

「えっ」

「…」

「ちがうの!いや、あのその…、…、」

オナニーがバレた?とヒヤヒヤしてる俺と、
オナニーを連想してしまって恥ずかしい!と慌ててる彼女、
2人の間に気まずい沈黙の時間が流れたんだが、

彼女に恥をかかせてはいけない!

「…してました、ごめん」俺は正直に白状した。

ところが、俺が気を遣って嘘を言ったんだと思ったらしい。

「いいのいいの!あー恥ずかしい…変な事考えた私がバカだ、××君はいい人だな」

はからずも俺の株が上がった!が!

「あとでゆっくり話したいな。どっか出かけるんでしょ」

ふいを突かれた言葉に俺は、「え、別にどこにも」

と、つい答えてしまった。
「イッちゃう出ちゃう」が「出かける」の意味じゃなかったことが、今度こそバレた。

「…やっぱ変態じゃん…」

電話は切れた。結局必要な連絡事項は何も聞けなかったので、
翌日は班のみんなにも迷惑をかけることになった。

それからというもの、俺が携帯を持つようになっても、毎日電話がかかってくるたびに、

「今はオナニーしてないから大丈夫です…」

という恥ずかしい台詞を言わされるようになった。